「仲介手数料」って何?
仲介手数料はコミッション制(料率)です
中古マンションや中古の戸建てを購入・売却する際には不動産屋さんにお声がけるすのが一般的だと思いますが、不動産の売買取引=不動産売買契約を結ぶ際にその取引をまとめた不動産業者には「仲介手数料」をお支払いしなくてはなりません。
仲介手数料の上限金額は宅建業法で定められており、400万円以上の物件は物件価格の3%+6万円(+消費税)となっております。物件価格の3%ですから、物件価格が高ければ高いほど仲介手数料も高くなります。ここ東京の板橋区小豆沢エリアでは、70平米前後の中古マンション価格を比較すると、築4〜5年の築浅で5,500万円前後、築35年以上の築古マンションで半額以下の2,500万円以下の物件もあります。
単純に比較は出来ないものの、それぞれの物件で仲介を行った場合、掛かる手間は殆ど変わらないにもかかわらず、受け取れる報酬額は倍半分と変わって来ます。
もっと極端な例では、都心の1億以上の物件と地方の過疎地の1,000万円以下の物件では、仲介するにあたって準備する書類や調査項目はそう変わりは無いにもかかわらず、得られる報酬額は10倍以上違って来ます。
これらのことからわかるように法的には「報酬(=フィー)の額」と記載されているのですが、実際は料率である「手数料(=コミッション)」となっております。
コミッション制(料率制)報酬の矛盾
建築設計の世界も実は元々コミッション制のビジネスで、設計料というものも工事費に対する料率となっておりました。(他にも、似たような士業のビジネスでは、相続税申告を税理士さんにお願いした際の報酬額も遺産総額に対する料率で計算する事務所が多い様です)
かつて戸建住宅の設計事務所で働いていた頃の話ですが、設計監理料は工事費の10%だったので、工事費3,500万円の家を設計すると設計監理料は350万円となり、7,000万円の家を設計すると700万円となるのですが、実は作業量や図面の枚数が倍半分違うかというと決してそうではなく、精々1.2〜1.5倍位で、逆に予算1,000万円台のローコスト住宅の場合は、むしろ考えなくてはいけない事が多く手間が掛かるのに設計料が少ないという矛盾が生じておりました。
また、工事費3,500万円の予算に対して4,000万円の見積りが上がって来てしまった場合(こう言った事は良くあります)工事費を500万円減額する為に、工務店に何度もネゴをしたり減額の提案を考えたり図面を書き直したりと、自らの利益を50万円減らす結果となるにも拘わらず予算内に収める為にかなりの労力を割いておりました。
仲介手数料もフィー(作業報酬)制に
大手組織設計事務所で働いていた頃は、仕事の規模が大きくクライアントから頂く設計料やコンサルフィーも大きかったのですが、業務メニューとそれに対する人件費と期間を見積りとして提示した上で仕事のオファーを頂いておりました。時には金額が高すぎると言われることもあり、その際は業務内容を見直し、クライアント側で出来ることはクライアント側で行って貰うことで金額を下げておりました。
不動産の仲介に関しても、例えば不動産ポータルサイトを通じて買いたい物件は自分で探したり、住宅ローンに関する諸手続を全て自分で行う等、宅建士の資格持たない一般の方でも出来る作業はあり、作業メニューを分解しそれぞれ掛かる人件費を算出する事は物理的には可能です。
IT化が進む以前の世界であれば、特定の不動産情報というのは不動産業者のみが持つ閉じた情報であったので、コミッション制が成立していたと考えられるのですが、IT化が進み誰でもが平等に不動産情報が得られる現代社会においては、コミッション制のままでは仲介手数料に対する理解は得られないのではないかと思っております。
物件価格が大きくなればなるほど、仲介手数料も多く支払うこととなりますので、仲介手数料の金額の根拠に納得がいかない場合は不動産会社さんと交渉してみるのも一案かと思います。
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