中古マンションの築年数による違い~2000年代

 このコラムでは年代別の中古マンションの特徴をご説明させて頂きます。

2000年代に建てられたマンションの特徴

 2000年代は世界的には2001年に311アメリカ同時多発テロが、2008年にリーマンショックが起こり、グローバル経済が一気に進んだ年代となります。女性の社会進出も当たり前になり、その一方で国内の経済はバブル崩壊から立ち直れず、就職氷河期や下流社会、勝ち組負け組と言った言葉が生まれた時代でもありました。

 マンションデベロッパー業界では、個人投資家を直撃したバブル崩壊よりも、リーマンショックの方が影響が大きく、多くの中小デベロッパーが廃業を余儀なくされました。また、2005年に通称姉歯事件と呼ばれる、構造計算書偽造問題が起こり、この事件をきっかけに建築基準法の改正も行われました。

 また、300戸以上のメガマンションや埼玉県川口市の55階建タワーマンションのエルザタワー55の竣工(1998年)を皮切りにタワーマンションが増えて来たのも2000年代からになります。

間取りの特徴

 90年代後半にマンションの間取りの基本形(3LDK田の字型プラン)は完成されているのですが、2000年代になるとより居住性に配慮した構造的な変更がされる様になって来ました。

 例えば、室内側の梁を出来るだけ無くす為に、アウトフレームというバルコニー側に梁を出す構造にし、これによりバルコニー側のサッシを天井近くまで取り、より開放感を出したり、壁を偏心させてリビング側に大きな梁型を出さない様な工夫が見られる設計や天井高をそれまでの2.4mから2.5mに高くする設計も見られる様にもなりました。

 また、バルコニー側の間口が6m前後のプランが多いのに対して、出来るだけ採光が取れるようにとワイドスパンと言われる間口が9m前後のプランも出てくる様になりました。

 リビング・ダイニング空間の充実をはかり、それまでリビングの横にバルコニーに面する形でレイアウトされていた和室も、バルコニーに面する部分はリビングの一部に拡張し、和室はバルコニーに面さない、部屋内にレイアウトするプランや、リビングそのものを広くし、和室を小さくするプランが出て来たのもこの頃です。

設備の特徴

 設備配管は既にさや管ヘッダー方式による架橋ポリエチレン管等の樹脂管に変わり、断熱材の厚みもそれまでの10mm程度のものから20mmになって来たのもこの頃です。(なお、首都圏で次世代省エネ基準をクリアするには断熱材の厚みは35mmとなります)

 他にはIHヒーターの性能向上によりオール電化マンションが登場して来たり、各部屋に電気コンセントとは別に各部屋を繋ぐ有線LAN配線が標準化されて来たのも2000年代であります。また、防犯ニーズの高まりからエントランスとエレベーターの2ヶ所によるダブルオートロックシステムを採用するマンションも出てきました。

 経済的には失われた20年と言われ世相的にも閉塞感が漂う年代ではありましたが、マンションの仕様としては、より便利により快適に過ごせる設計に変わり居住性を重要視して来た年代でもありました。