高島平団地

 今回ご紹介する「まな板の上のマンション」は高島平団地(分譲棟)です。

物件概要

住所:板橋区高島平3丁目
アクセス:高島平、新高島平駅から徒歩5、6分
築年月:1972年(昭和47年)
総戸数:1883戸(分譲住戸)
小学校:高島平第五小学校
中学校:高島平第三中学校

概要

 1972年に当時の日本住宅公団によって開発された高島平団地の分譲棟です。三田線側の第一住宅、新高島駅側の第二住宅、高島平側で都立赤塚公園の北側にある第三住宅と3つのエリアに分かれて立っており、第二住宅、第三住宅には5階建の中層棟が多く配置されております。

 第一住宅の高層棟は14階建、第二の中層棟は5階建での中層棟で中層の住戸は700戸程度となっております。

 また、高島平駅から赤塚公園へ伸びる大通りを挟んで東側のエリアは高層棟からなる賃貸住居棟群となっており、総戸数10,170戸の巨大団地を形成しております。

 日本住宅公団での開発では最大規模の単一団地となっており、建設当時は東洋一のマンモス団地と呼ばれておりました。

 団地内に複数の小学校、中学校、病院、図書館や総合公園、区役所の出張所、商店街を配し、また、駅からも近く、非常に利便性が高い住環境を形成しております。

高島平は50周年を迎えました

 2019年3月1日に高島平は50周年を迎え、駅前や区内の各地で記念イベントが催されました。もっと古くからある印象があったので思ったよりも若い街で正直驚いたのですが、街が出来てから50年も経っておりますので、他よりも随分前から少子高齢化問題に直面して来ました。

 1992年に3万人とピークを迎えた人口も、2019年の今では1万5千人と半分に減り、また高齢化率も現在では50%弱と都内で最も高齢化の進む街となってしまいました。

 行政の方もこの状態を手をこまねいて見ていた訳ではなく、2011年より板橋区と産官学連携の高齢者地域包括ケアの検討を行なっております。現在、UR賃貸棟では空き住戸を随時リノベーションして「ゆいま〜る高島平」という名前のサービス付き高齢者住宅として再生し、全国でも注目される高齢化する団地再生の試みを行なっているのです。

見方を変えれば、他では手に入らない環境が

 高島平団地の開発当時の計画をみると、実はかなりゆったりとした、当時としては高規格の集合住宅となる予定でした。それが建設が始まってから経済環境の変化で建設資材が高騰してしまい、元々中層棟で3DKを中心に計画していた所を高層棟で2DKにし住宅数を増やす事で建設コストの増加分を解消し、現在の形となりました。 

 確かに、賃貸エリアは2DK以下の高層棟となっているのですが、実は分譲エリアでは5階建の中層棟が中心で、隣棟間隔も十分にあり、住戸も3DK以上と、開発当初のコンセプトを残した計画をしております。

 また、高島平団地に新築当時から入居されている方のインタビュー記事には、大手町まで地下鉄で30分で出られるアクセスの良さもあり、当時はエリートサラリーマンの応募が殺到したそうです。この時期、他でも団地の建設は行われておりますが、駅からも近くて都心にも30分で出られ、かつこれだけ大規模な開発は高島平団地しかありませんでした。

 現在の高齢者率の高さは、新築当時の住民のかたがたが住み続けている事の現れで、高齢者世帯の7割以上の方が、高島平団地に満足しているというアンケート結果も出ております。

 賃貸棟を管理しているUR(旧日本住宅公団)では高島平団地の再生のために、例えば無地良品とコラボレーションして、新しいリノベーション賃貸住戸を作ったり、官学共同でUDCTak(アーバンデザインセンター高島平)という都市再生の試みを行なっております。

 都心からのアクセスも良く、職住近接に適しているにもかかわらず、緑や空地のあるゆったりとした古き良き団地の作りと、団地を愛する古くからの住民の方々も住む多年代の方が同居する高島平団地には、他では手に入らない唯一無二の環境があるのです。