リノベーションのススメ

家づくりは楽しい

 普請道楽という言葉があるぐらい昔から家を自分で設計し作ることは、一部のお金持ちや土地持ちの人達が出来る特権であり道楽でした。2世代上の大御所建築家が建てた家(作品)なども、豪邸とまでは言えないものの普通の金額ではとてもじゃ無いけど建たないよね、と言った家がほとんどです。

 古くは大工の棟梁が、高度成長期の頃は地場の工務店が、お客さんの要望をザックリと聞いて、しっかりとした設計もせずに家を建てておりました。その後、ハウスメーカーが台頭し、注文住宅と言われるセミオーダーの家づくりのやり方が出来ましたが、こちらもメーカー毎に違う規格を建て主さんが選択しているだけで、住宅を設計する(してもらう)とは決して言えない家の作り方だと思います。

都内で土地を買って家を建てるのは難しい

 言わずもがな、ではありますが都内の利便性の良い場所で土地を買って家を建てることは非常に難しいです。遺産相続などでまとまった区画の土地が分譲販売されても、ほとんどが建築条件付きという施工会社が決まっていて自由に家を建てられない土地がほとんどです。

 古家付きの土地を買って、建て替えるという手もありますが、解体費用が余計に掛かる上、立地が良く換金性の高い物件は市場に出る前に不動産屋に買い取られ市場に出てきません。

 また、普通の不動産屋や工務店では嫌がる狭小敷地であれば購入する事も出来るのですが、採光や眺望がほとんど取れず、デザイン的には満足できても、住環境的には快適に過ごす事が難しい場所である事が多いです。

中古マンションのリノベーションが一番

 中古戸建住宅を買ってリノベーションをするという選択肢もありますが、構造の耐用年数や外壁や屋根のメンテナンスコストを考えると、折角室内にお金を掛けてリノベをしても、先に家の耐用年数が来てしまう可能性もあり、また、築年数が古くなればなるほど断熱性能等の基本スペックが低すぎて、相当のコストをかけなくては新築相当の仕様になりません。

 また、元の構造耐力壁の特定が難しく、構造変更を伴う間取り変更も一旦壊さないと出来るかどうか判断出来ない、という設計上のリスクも大きくなります。

 かたや中古マンションであれば、躯体の耐用年数が高いため、リノベーションする価値は充分にあり、間取りの自由度も狭小住宅のリノベーションに比べれば、格段に高まります。

 また、リノベーションでやりたい事がある人にとっては、それが出来る物件選びを行う事で元のプランや共用部の特徴をさらに際立たせる事も出来ます。具体的には、ロフトを作りたい方であれば天井高の高い物件を選ぶとか、ワンルームに近い状態でとにかく広く使いたいという方であれば、水回りが片側にまとまっている物件を選ぶとか、やりたい事を明確にする事で物件の選び方も変わって来ると思います。

 以前は自分で家を作りたいとなると、建築家を探して、建てる土地を探して、と時間もお金も掛かる行為でした。それが、質のいい中古住宅の流通量が増え、スクラップアンドビルドの時代からストック活用の時代に変わり、それらを活用出来るプラットホームが整って参りましたので、以前ほどのコストや労力を掛けずに、家づくりが出来る世の中に変わって来ております。

 家の購入を考えている方は、是非、この機会にリノベーションという新しいやり方も検討して頂ければと思います。