中古マンションの築年数による違い~1980年代

 このコラムでは年代別の中古マンションの特徴をご説明させて頂きます。

1980年代に建てられたマンションの特徴

 1980年代は1986年から1991年のバブル景気に象徴される様に、団塊の世代の方が30〜40代の仕事盛りの頃で日本の景気が非常に良かった時代です。また、1989年に昭和の時代が終わり平成の時代が始まった年代になります。

 マンション業界としては、1981年(昭和56年)の建築基準法の改正があり1981以前を旧耐震(基準)、それ以降を新耐震(基準)と分けているのと合わせて、バブル景気が始まった1986年から段々と高級化路線の仕様が出てきて、80年代末期には億ションと呼ばれる高級マンションが出て来たのと合わせて、都心部では物件が投機目的の不動産となり、普通のサラリーマンは郊外に建てられたマンションでないと購入出来なくなりドーナツ化現象が進んだのもこの時期です。

間取りの特徴

 間取りとしてはまだ1970年代にはあまり考慮されていなかったリビングという家族が寛ぐ空間が出て来たのが特徴です。それまではダイングとキッチンが一体となり、他に和室が3室などの3DKや2DKが主流でした。70年代後半から80年代初期にキッチンが独立してダイニングとは分離され始め、リビングダイニングが一体となり、バルコニーに面する間取りに変わって来ております。

 また、1983年からバブル期が始まる1986年までは商品企画の内容で各社凌ぎを削る様になり、設備機器やエントランス周りの共用部の充実が図られるとともに、対面式キッチンによるLDKの一体化が図られる様になって参り、対面式のキッチンを含めたLDKの横に6畳ほどの和室と押入が来て玄関側には廊下を挟んで洋室が2部屋来るといういわゆる「田の字型」プランというのが出来上がったのもこの頃です。

設備面の特徴

 耐震基準が変わりより強固な建物になったのと合わせて、購入者の意識もそれまでの戸建てまでの繋ぎの住まいという意識から「長く住む」という意識に変わり、設備面もそれまでの鉄管の給水管から、より耐久性の高い(錆びにくい)塩化ビニルライニング鋼管製の給水管に変わって参りました。

 また、サッシの性能はまだまだ低く、吸気口はサッシのガラリや小窓とは別になってきたものの、サッシ自体はシングルガラスのアルミサッシですので、より快適に過ごしたいということであればリフォーム・リノベーションの際に既存のサッシの内側にインナーサッシを取り付けるのは有効な手段だと思います。

 ユニットバスや給湯器等の住宅設備もまだまだ、今と比べると性能や能力の低いものではありますが、それでも多くのマンションの現在の間取りの原型はほぼ80年代に完成されており、それまでの戸建てまでの仮の住まいから永住する意識がプランにも表れて来ているのがこの頃の特徴となります。配管や設備は可能ならば交換されることをお勧めいたしますが、それでも70年代に建てられたマンションに比べると、間取り的には現代の暮らし方に沿った生活が送れるようになってきているのがこの頃の特徴ではないでしょうか。