整理収納のコツをお教えします

 「リフォームをするまででもないけど、収納が上手く出来なくて困っている」というご相談をよく伺います。今回は整理収納のコツに関してご紹介させて頂きます。

パナソニックカタログより

整理収納に自信がない人ほど、きれい好き

 リフォームの仕事をしていて収納整理のご相談を受ける際に、今の状態に強い不満があったり「散らかっていて見てもらうのが恥ずかしい」と仰られる方に限って一般的な方よりも上手に整理整頓ができているというのを経験してきました。

 恐らく相談されている本人にとっては今の状態に日々ストレスを抱えながら生活させている事と思うのですが、そのストレスの原因がきちんと把握できていないのでいつまでもストレスが残ってしまう(=課題が解決できない)のだと考えられます。

 ですので、整理収納を行う第一歩としましては「ストレスの原因を把握し、どこに課題があるかを正しく認識する」ことになります。

「整理」とは何か

 ストレスの原因が「モノを収納する」ことなので、どうしてもスペースの方に目が行きがちですが正しくは「モノを整理(収納)する」ことになりますので、次に「整理とは何か」を考えてみたいと思います。

 「整理」には2種類の意味があり一つは「不必要なモノをとりのぞくこと」であり、もうひとつは「区別すること」もなります。特に一つ目の「不必要なモノをとりのぞく」ことが収納整理には最も大切な行動となります。

 我が家も下の子供が生まれる際にそれまで物置スペースとなっていた子供部屋の整理を行ったのですが、それまで物置として使っていたために、結局は家全体の使わない荷物や衣類の断捨離を行うことで子供部屋のスペースを作りました。

 家族の人数が少なかったり、子供が小さい内は充分にスペースがあった家も、家族の成長とともにどうしても手狭になってきます。限られたスペースを上手に整理収納するためには、まずは「不必要なモノをとりのぞく」という行動から始めなくてはなりません。

 (なお、私が断捨離を実施した際のコツをご紹介しますと、①1年以上手に取っていないものは捨てる ②手に取って気持ちが上がらないものは捨てる という2つのルールに則って機械的に時間を区切って行うことで、効率よく断捨離ができました)

「区別」する

 断捨離が終わっている(出来ている)方は次の整理にあたる「区別」を行います。ここでの「区別」は段階を追って行います。まずは1年以内に使わないモノを区別します(①)。次に日常的に使うモノと使わないモノを区別します(②)。また、②の際に使用目的が異なるモノもあわせて区別するのが良いでしょう(③)。

 実際に「区別」を行う際には整理する引き出しやBOXを1段(個)決めて、1段(個)づつ広げた新聞紙等の上に仕分けしていくのが良いでしょう。使用目的にあったエリアでの仕分けも済んだところで、今度は使用頻度別に仕分けたモノを納めて行きます(④)。

 日常使いするものは取り出しやすい位置に、シーズンのモノや年に数回しか使わないようなモノは手が届きにくい位置に納めていくと、日常的に片付けも容易となるので整理された状態が続きやすくなります。また、この際に家事動線を見直して、大幅に収納場所のレイアウトを入れ替えてあげるのもストレス軽減につながると思います。

 実際にリフォーム工事で最も効果を発揮するのが、収納の為の間取り変更になります。例えば、各部屋にあるクローゼットを無くしてしまい、出来たスペースを集約して家族全員で使う大きなウィークインクローゼットを作ってあげることで、整理しやすい収納という課題を解決するだけでなく、動線も整理することで効率的に家事を行えるというような提案をおこなっております。

一番大切なのは「適正量」の把握

 折角、断捨離して区別して整理しなおしても、数年経つとまた散らかってしまったり、モノがあふれてくるようになる方も多いかと思います。そして、それに耐えられなくなるとまた同じことをゼロから繰り返すようになってしまうので、その繰り返しを断ち切るには「適正量」というものを把握しなくてはなりません。

 収納スペースというのは物理的な限界があるものなので、新しくモノを買えば古いモノを捨てない限りすぐにモノであふれてしまいます。「ここのスペースには衣類何着しか入らない」「ここのスペースには本は何冊までしか収まらない」など、具体的な数字まではいかないまでも、おおよその限界量を把握しておき、その限界に達する前に使わなくなったモノは処分して常にゆとりのあるスペースを確保しておけば、早々に元の「片付けられない状態」に戻ることは無いでしょう。

 今回は整理収納のコツに関してご紹介させて頂きました。

 スムスビ一級建築士事務所では、クローゼットのリフォーム工事の様な小規模なリフォーム工事から、間取りの変更を伴うフルリフォーム工事やリノベーション工事までご相談を承っております。また、売りに出ている中古住宅の購入のご相談なども承っております。

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