旧耐震マンションと地震

昭和56年以前に建てられた建物

 昭和56年(1981年)以前に建てられた建物を旧耐震の建物と呼んでおり、現行の耐震基準には合致しない建物になります。これは、昭和53年に起きた宮城沖地震を受けて昭和56年に建築基準法が改正され、建築物の構造規定が強化された事によります。

 具体的には、改定前(旧耐震基準)は「震度5程度の地震では倒壊しない事」という基準だったものが、改定後(新耐震基準)は「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと」「震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと」と震度6強以上の地震も想定した基準と強化されました。

 これは、震度5程度では「倒壊しない(=最低でも人命確保)」から「ほとんど損壊しない(=軽いひび割れ程度で使用可能な状態)」と構造的に強化された内容になります。

旧耐震マンションの被害データ

 それでは、実際に過去の震災で旧耐震マンションはどのぐらいの被害を受けてきたのでしょうか?

最大震度6強を記録した東日本大震災のマンションの被害状況は
◾︎旧耐震マンション:
大・中破以上…1.7%、小破以下…98.3%
◾︎新耐震マンション:
大・中破以上…1.0%、小破以下…99.0%

また、同じく最大震度6強でも直下型地震であった阪神淡路大震災の被害状況は
◾︎旧耐震マンション:
大・中破以上…6.5%、小破以下…93.5%
◾︎新耐震マンション:
大・中破以上…1.6%、小破以下…98.4%

となっております。

 中破以上小破以下で切り分けた理由ですが、中破になると構造部分の補強補修が必要と判定されますが、小破であれば構造部分の損傷が軽微に留まり、大規模な構造補強工事の必要性が無くなるからです。

 この結果から読み取れるのは、直下型地震の方が旧耐震基準マンションへの影響が大きい事と、新耐震基準マンションでも中破以上の損壊がゼロではない、という点です。

新旧に関わらず構造的に無理の無い建物を

 現行の耐震基準を満たしているマンションでも、構造的に無理がある建物の場合は、大きな地震が起これば大きく損壊する可能性もあります。また、直下型の阪神淡路大震災でも旧耐震基準でも93.5%のマンションは大きな損壊は受けずに済んでいるのです。

 構造的に無理がある建物とは、例えば1階が駐車場などで利用され壁がほとんどなく柱だけで建っているような建物や、横に細長く高さも高い建物、崖や急な坂の上に立つ建物など素人目から見ても危ない建物です。

 逆に、築年数が古くても5階建以下の低層(=壁構造)でしっかりとした台地の上に建っているマンションや団地であれば、構造的には問題無いと考えられます。

 旧耐震マンションだからといって全てのマンションが地震に弱い構造となっている訳ではありませんので、中古マンションを探されている方は、是非、参考にして頂ければと思います。