自然素材について

自然素材の効果

 シックハウスにならない家づくりを行う設計事務所で設計のキャリアをスタートさせた事もあり、家を設計する際には積極的に自然素材の利用をオススメしております。コストアップになるにも関わらず自然素材をオススメする理由としては、安心安全な材料という事もありますが、自然素材を積極的に用いることで、快適な生活が送れる空間が出来るからです。

自然素材による快適な空間とは

 一般的には珪藻土が有名ですが、無垢フローリングやエコカラット等のタイル、ウールカーペットや一部の壁紙なども調湿性のある素材となります。特にフローリングに関しては常に身体が触れる所で、素足になれば足触りとしても、一般の合板フローリングとの違いが如実に解ります。

 気温とは別に体感気温という指標があり、湿度が10%変わると概ね体感気温は1℃変わって来ます。冬の時期で室温20℃湿度20%の部屋と同じ気温で湿度が50%の部屋では体感気温は3℃湿度が高い部屋の方が高く暖かく感じます。また、逆に夏や梅雨の時期で外と同じ湿度80%の部屋と湿度50%では、湿度50%部屋の方が体感気温が3℃低くなり、涼しく感じます。

 そして、調湿性能のある無垢フローリングや珪藻土、壁紙等を利用する事で加湿機や除湿機に頼らなくても、年間通じて概ね50%前後の湿度を保て、快適に毎日を過ごすことが出来る様になるのです。

無垢フローリングや珪藻土にも様々な種類がある

 私が住宅設計の仕事を始めた20数年前に比べると、無垢フローリングや珪藻土の認知度は上がり、様々な建材が商品化されております。珪藻土などはある種のブーム的な側面もあり、調湿性能や建材の安全性も千差万別と言った状態です。

 無垢フローリングに関しては、見た目や足触りを決める樹種よりも調湿性能に影響を与える塗装の種類に注目して貰いたいと考えてます。無垢フローリングの中でもメンテナンス性の良さを考慮してウレタン塗装という水にも強い強固な塗装をかけているものもあります。体育館の床をイメージして頂ければ分かりやすいのですが、これは水を弾いてしまう塗装な為、折角の調湿性能が台無しなり、これでは最近の良くできている無垢風の合板フローリングとほとんど変わらない住み心地なってしまいます。

 塗装というのは、汚れ難くしたいとか綺麗に化粧したいとか、基本的には人の都合で行なっている物なので、木にとって一番良いのは無塗装の状態になります。(機械乾燥の際に抜けてしまった油分の補填という意味では木にも良い効果もあります。)それでもメンテナンス性が気になる、無塗装だと床が白っちゃけて見えると思われる方は、自然塗料が塗られているフローリングを選んで頂くか、蜜蝋ワックス等の安全で簡単に塗装出来る自然塗料をDIYで塗られる事おススメします。

 珪藻土に関しては、1990年代に健康志向ブームで火が付いた建材で、2000年代に様々な商品が開発されました。中には数パーセントしか珪藻土が含有されていないのに珪藻土として売りに出されていたり、施工性を向上する為に有機化学系の接着剤が入っており、塗り上がってしばらくは有機溶剤臭かったり、接着剤が珪藻土自体の調湿性能を殺してしまって、ほとんど調湿性能が認められない商品もあります。

 珪藻土で気をつけて頂きたい部分は、珪藻土の含有率と珪藻土の産地(稚内産の物が調湿性能が高いと言われております)と使っている接着剤や固化させる仕組み(珪藻土自体は土なので、水を入れて練ってコテで壁に塗っても乾けばボロボロと剥離してしまいます)

 恐らく上記3点を気にして調湿性能を上げている商品は必ず調湿性能の性能評価や含有率、産地、固化方法等の説明書きが商品ホームページに記載されているかと思いますので、そちらをご確認頂ければと思います。

 家づくりの過程において、仕上げ材を決めていくのは予算の関係もあり、楽しいけど悩ましい作業です。ただ、間取りや設備以上に仕上げ材によって快適に毎日を過ごせるかが左右されますので、是非、素材選びの参考にして頂ければと思います。

 スムスビ一級建築士事務所では、水廻り設備の交換の様な小さなリフォーム工事から、間取りの変更を伴う大きなリフォーム工事やリノベーション工事までご相談を承っております。また、リノベーション工事に適した中古マンションをご案内させて頂くところからご相談を承っております。

 都営三田線 志村坂上駅から徒歩4分の場所に、築30年のマンションをフルリノベーションしたモデルルームもございますので、リフォームをお考えの方は是非一度モデルルームまでご相談にいらして下さい。

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