給湯器の話

給湯器の耐用年数

 相当築年数が古くない限り、給湯器はほとんどのマンションで共用部に当たる室外についておりますので、あまり注目されることはないのですが、フルリノベーションでない場合は給湯器を交換するかどうかは判断に迷うことがあります。ガス給湯器であれば耐用年数は概ね10年程度といわれており、これはメーカーとして交換部材の保有年数が10年というところから来ております。実際は20年以上交換していない家も目にすることはありますし、10年持たずに壊れてしまう家もあるかと思います。

 リフォームやリノベ―ションで水回りの設備機器を交換する際は、基本的には給湯器の交換もあわせて行うことをお勧めしておりますが、交換して5年以内の物であれば、そのまま使うことも減額案の一つとしてご提案しております。また、リノベーションの現場でも新規に交換した給湯器が1年経たずしてエラーが出るとクレームを受ける機器でもあります。そういったケースでは、給湯器本体には不具合がないのですが、リモコンの基盤や配管経路の一部(もしくは使い方)に問題があるというケースもまれにあり、季節や使用年数によって水圧が微妙に変化してエラーが出る、実は精密な制御を行っている機器の一つでもあります。(特に、今は昔と違って給湯管が架橋ポリエチレン管等の曲げやすい管となっておりますので、配管の仕方によっては水圧の掛かりが悪くなり不具合の原因になることもある様です。)

 給湯器自体の機構は、ガスや電気で水をお湯にし、作ったお湯をポンプで給湯管に送ってあげるという非常にシンプルな構造なのですが、今は追い炊き機能や温度設定などで複雑なマイコン制御ができるようになっておりますので、どちらかというとその基盤の部分が先に壊れてしまう可能性があります。

エコジョーズとエコキュート

 ガス給湯器にはエコジョーズ、電気温水器にはエコキュートと省エネ(=ランニングコストが安くなる)タイプの給湯器が出ております。

 エコジョーズはガスを燃焼したときに生じる廃熱(約200℃)を給湯器内に循環させ再利用することでエネルギー効率を高めた給湯器です。採用すれば省エネ住宅改修の補助金などに該当する給湯器になりますが、マンションで使う場合は廃熱利用の際に生じるドレイン水を排水出来るかどうかの事前の確認が必要になります。例えば、バルコニーに既存の給湯器がつけられているマンションであれば、エアコンの室外機同様にドレイン水をバルコニーの排水口に流せることは出来るのですが、共用廊下側のメーターボックス内に給湯器が設置されている様なマンションですと、基本的にはエコジョーズの利用は難しいと考えた方が良いです。(ポンプでドレインアップして、メーターボックス内の壁をコア抜きして、専有部内の排水管につないであげればジョーズも利用できますが、費用対効果を考えるとあまりお勧め出来ません)

 エコキュートはエアコン同様、ヒートポンプ式の室外機で熱を作り、それを熱源にして出来たお湯を貯湯槽に貯めて必要に応じて使う高効率の電気式の給湯器になります。こちらは貯湯槽が300L以上の大きさになりますので、もともと電気式の給湯器が使っているマンションでかつベランダに設置する室外機までの給湯給水の配管が出来、室外機の設置スペースが取れるマンションでないと設置できませんので、電気温水器が設置してある中古マンションでも利用はかなり難しいと思います。(オール電化のマンションで既にエコキュートが採用されているマンションであれば、問題なく交換可能です)

電気温水器のメリットと注意点

 1980年に建てられた我が家のマンションは電気給湯器しか使えないマンションです。幼いころから貯湯式の電気給湯器で育っておりましたので、住宅の設計を始めた時に電気給湯器というものが世間では知られていないということに驚いた記憶があります。

 オール電化ではない限り今では時代遅れの給湯方式となってしまいましたが、貯湯式電気給湯器にもメリットがあります。一つは災害時(断水時)に300L前後の貯湯槽のお湯がそのまま生活用雑排水(トイレの排水等)に利用できるという点と貯湯槽の周りに洗濯物を干しておくと洗濯物の乾きが良く(冬場の天気の悪い時期や梅雨時期は助かります)冬場も給湯器周りは暖かい(洗面室に給湯器が配置されていると冬場は助かります)という所でしょうか。

 逆に、貯湯タンクに相当量のお湯が常時ある状態ですので、タンクの劣化で万が一漏水があった場合は下階への被害が大きくなりますので、くれぐれも耐用年数(15年程だと言われております)を超えた使用は気をつけて下さい。なお、万が一漏水が起きた場合に下階への補償が出来る様に火災保険の見直しも行なっておいた方が賢明です。

 住宅設備の中でも目立たない存在ですが、日々の光熱費には直結してくる設備になりますので、是非ご参考にして頂ければ幸いです。